大阪公立大学 大学院医学研究科 循環器内科学

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超音波グループ-研究紹介-

スタッフ

研究の概要

講師 伊藤 朝広

経胸壁心エコー検査(負荷エコーを含む)、経食道心エコー検査のデータベースを中心に、心臓弁膜症、structural heart diseaseのカテーテル治療、肺高血圧症などの特殊症例含む豊富なデータベースから、最新の超音波技術を用いた臨床研究を学会や論文発表を通して日本、世界に発信しています。
また循環器疾患における血圧変動の影響を画像診断で評価する研究や、人工知能のディープラーニングを用いたデジタル心音・心電データからの心疾患の自動診断を行う研究も進行中です。

講師 伊藤 朝広

代表的な研究の紹介

僧帽弁閉鎖不全症患者に対する三尖弁閉鎖不全症発症予測

僧帽弁閉鎖不全症に合併する三尖弁逆流の発症機序に関して、3D経食道心エコーを用いた解析を行っています。“Forgotten Valve”と言われた三尖弁が近年注目されています。三尖弁逆流の発症機序に迫るべく、3Dエコーによる三尖弁の詳細な解析を用いて研究しています。

将来の展望と期待
心臓弁膜症疾患は、SHDカテーテル治療の進歩により様々な治療法が開発されています。SHDカテーテル治療には心エコーガイドで行う治療が多く、その重要性が再認識されています。最新の治療をより安全に、確実に行えることに繋がる研究と自負しています。
研究秘話
画像解析を行えるように撮像するには工夫が必要で、当初は解析できる画像を撮像するのに苦労しました。今では、研究に携わる人全員が、同レベルに撮像し、解析することができるようになりました。

人工知能のディープラーニングを用いたデジタル心音・心電データからの心疾患の自動診断

人工知能(AI)の進化により、あらゆる分野でAI導入が進んでいます。そのため、AI分野で活用されている技術のひとつであるディープラーニング(深層学習)が注目を集めています。我々は、企業が開発した「超聴診器」(AMI株式会社)を用いて、大阪公立大学健康科学イノベーションセンター、医師、臨床検査技師を含めた多職種と連携し、デジタル心音・心電データを集積し、心疾患の自動診断が可能な聴診器の開発を目指しています。これにより、循環器非専門医の医療従事者が適切なタイミングで専門医に紹介することが可能となり、また、医療過疎地での遠隔医療にも有用と考えられます。心音・心電から心疾患を自動診断できる新しいデバイスの開発を目標としています。

将来の展望と期待
AIを用いることにより、専門医でない場合でも、循環器疾患をより迅速に専門医へと紹介できる、循環器医にとっても循環器疾患の増悪をより早く気付くことができる、そういう新しいデバイスの開発を目標に研究しています。
研究秘話
まだまだ始まったばかりの研究で、日々悪戦苦闘しています。今は失敗ばかりですが、いつかスポットライトが当たる日が来ると信じて研究しています。